靴は日常生活を送るにあたり、欠かせない道具です。
足を守ってくれる靴ですが、それゆえに履いていくうちにダメージが蓄積されていきます。
その中でも、特に傷みが激しいのが、
- 靴底
です。
だんだんと傷んでくる靴底、ただただ指をくわえてみているのも忍びない…。
そんな人は、セルフで靴底の補修をやってみることをおすすめします。
靴底の中でも特にダメージが顕著なのが、
- かかと
- つま先
です。
ダメージの入りやすいかかととつま先をセルフ補修すると、革靴の寿命をのばせます。
また、革靴の修理をぐるりと囲むコバは、ぶつけやすく傷付きやすい箇所。
コバをきれいにキレイに保てば、美しい革靴の雰囲気がよみがえります。
革製ソール(レザーソール)の場合、履き続けるうちに徐々に削れが進み、いずれ修理が必要になります。
ただ、定期的にレザーソールに水分と油分を与えれば革にしなやかさが戻り、削れの進行を抑制。
削れを遅くできるため、結果的に修理のタイミングを後ろ倒しにできます。
レザーソールの修理スパンを長く設けられるようになるのです。
本記事ではかかととつま先を補修する方法とコバを美しくする方法と削れを防ぐレザーソールのお手入れ方法をまとめました。
自分で補修やお手入れすれば、結果的に懐にも優しくなります。
自分で靴底を補修する方法
革靴・スニーカー問わず、日々歩いていると避けられない問題。
それが、
- 靴底のすり減り
です。
個人個人ですり減る場所は違いますし、理想的な歩き方をしている方はすり減るスピードが遅いですが、全く削れないということはありません。
特に削れやすいのが、
- かかと
と、
- つま先
です。
事実、経済産業省の調査では、革靴を修理したことのある人は男性で6割近く、女性では8割を超えます。
※出典:経済産業省「皮革産業振興対策調査等(足入れの良い革靴の靴型に係る設計ガイドライン作成に関する調査)調査報告書 平成24年度」
女性の方が男性よりも多いのは、ハイヒールやパンプスのヒール部分の修理需要があるからでしょう。
実際は上記すべての人が靴底の修理をしたわけではないですが、靴でダメージを受けやすいのは圧倒的にソール部分。
靴底の修理をしている人は非常に多いです。
ただ、靴の修理はお金がかかります。
なるべくお金をかけずに靴を修理したいですよね?
それならば、セルフ修理しましょう。
次の項目からかかと、つま先、それぞれの補修方法を紹介しますね。
靴底のかかとを補修する方法
かかとのすり減りは遅かれ早かれ、誰しもが直面する問題です。
履いていくうち、徐々に靴のかかとが以下の図のようになります。
かかとがガッツリすり減っていますね。
見た目にも美しいとはいえず、このような状態の靴を履き続けると、歩行時の姿勢が乱れ、腰痛や肩こりなどの身体の不調があらわれたりすることも…。
それを防ぐためには、早い段階で対処しなければなりません。
ということで、すり減ってしまった靴底のかかとの補修方法を紹介します。
かかとを補修する方法は以下の通り。
- かかとの汚れ落とし
- かかとのやすり掛け
- プラ板でガイド形成
- シューズドクター(補修剤)を投入
- シューズドクターを乾燥させる
- かかととコバの色を合わせる
早速、手順を追ってみましょう。
靴クリーナーで靴底をきれいにしてから…
プラ板をかかとの周囲に這わせます。
更に、補修部分以外に補修剤が付かないようにマスキングテープで覆います。
この工程は相当重要ですので、気合を入れましょう。
ここで登場するのが補修剤。
使うのはシューズドクター。
靴底のすり減りを、自分で手軽に補修可能なパテ剤です。
超高密度ポリウレタンを使用しているので、耐摩耗性に優れています。
シューズドクターを使って、すり減った箇所をたっぷり肉盛りしていきます。
シューズドクターを中に隙間を作らないように、押し込みながら盛るのがポイント。
補修箇所を付属のヘラでならしながら、あふれた補修剤を取り除きます。
こんな感じですね。
硬化するまで1日程度かかるので、ひたすら待ちます。
プラ板とマスキングテープを外すと…
しっかりとかかとが肉盛りされ、補修が上手くいっていることがわかります。
境目はどうしてもわかってしまいますが、補修前よりもスタイリッシュになりました。
かかとの寿命ものびますし、言うことなしです。
靴底のつま先を補修する方法
靴底のつま先の削れも由々しき問題です。
かかと同様に、つま先も靴を履いていくうちに削れていきます。
革製の靴底なら、なおのこと。
歩いたときに、つま先が地面やアスファルトでガリガリと削られていくのです。
特に、新品の靴の場合は靴自体がまだ硬いことが多く、歩行時の返りが悪いため、つま先が削れやすいです。
したがって、大きく削られてしまったソールは、手遅れになる前に靴修理屋さんに修理をお願いするか、自分で補修する必要があります。
特に、つま先は前述の通り削れやすいため、早めの対処が必要。
ですが、こんな考えも。
ですが、安心してください。
つま先にラバープレートを貼るだけのお手軽な補修方法を紹介します。
僕が使っているのが、
- かかとつま先兼用ラバープレート
です。
こちらのラバープレートの効果を以下にまとめてみました。
- 靴のつま先やかかとを簡単に補修可能
- 補修箇所のすり減りの進行防止
- 特殊ゴムでできているため摩耗にめっぽう強い
- ラバーなので滑り止めとしても機能する
取り付け工程は以下の通りです。
- つま先の汚れ落とし
- 取り付け箇所をやすり掛け
- ラバープレートの取り付け
靴用クリーナーをクロスに取って、汚れを落とします。
あまりに汚れが付いていると後々、取り付けたラバープレートがはがれてしまう原因となります。
そのため、きっちり汚れを除去しておきます。
そして、ラバープレートをつま先に取り付けます。
取り付けた後の状態はこちら。
簡単・お手軽にレザーソールのつま先補修ができました。
コバを補修する方法
靴底の、アウトソールとウェルトの張り合わせ部分のコバ。
意外に思うかもしれませんが、コバは革靴の見た目の美しさを大きく左右する重要な部分。
コバが削れていたり、色あせていたりすると、革靴全体の印象がぼやけてしまいます。
裏を返せば、お手入れしてコバを美しくきれいにすれば、革靴がより美しくエレガントに見えるということです。
ただ、コバは革靴の位置的に、ぶつけたり、水跳ねをかぶりやすかったりと、汚れや傷が付きやすい箇所。
セルフ補修でコバを整えてあげましょう。
削れて毛羽立った部分を均し、色を入れ直せば美しさが復活します。
コバの補修方法は以下の通りです。
- コバを紙やすりで削る
- コバの汚れを落とす
- コバインキでコバを補色する
- コバを油性ワックスでコーティングする
- コバをクロスで磨き上げる
まず、コバが削れて毛羽立っているところを紙やすりで削り取ります。
続いて、汚れ落とし工程。
やすり掛けで出た削りカスやコバに付いた汚れを落とすのです。
靴クリーナーを浸み込ませたクロスで、コバ周りを拭きます。
次に補色。
色あせたコバに色を入れ直し、見た目を整えていきます。
使うのはコバインキ。
しっかりとコバを着色すると、見た目のきれいさが復活します。
スポンジフェルトで満遍なく塗れるため、使いやすいです。
ただ、コバインキだけだと控えめなツヤしか出ません。
コバ周りに美しいツヤが欲しい人は、さらにここからもうひと手間。
ワックスで油の膜を作り、コバを光らせます。
ワックスを塗ってから、クロスで磨きましょう。
ワックスは水を弾くため、先ほど塗ったコバインキが雨に濡れて落ちてしまうのを防ぐ効果もあります。
クロスで磨くと、だんだんとコバが光り輝いてきますよ。
コバ補修後は見た目が明らかに変わり、上品な印象に。
コバがきれいだと、革靴の雰囲気がグッと引き締まります。
簡単にコバをきれいに美しく仕上げられるので、ぜひやってみてください。
靴底修理を遅らせる!レザーソールの削れを防止する方法
レザーソールは通気性が良く返りが良いため、履いていて快適なソールです。
ただ、レザーソールは革を使っているため削れやすく、ゴムソールに比べて耐久性に劣ります。
履き続けていくうちにソールに穴が開き、交換が必要になるのがレザーソールの特徴です。
レザーソールの削れやすり減りは避けられず、いずれ穴が空いてしまうのですが…。
削れを遅くすることは可能です。
- 1年でソール交換するところを2年持たせる
なんてことができるわけです。
レザーソールを長持ちさせるために必要なのは、
- 定期的なお手入れ
です。
具体的には、レザーソールに潤いや油分を補給し、革をしなやかに保つ方法。
レザーソールは乾燥すると硬くなるため、地面との摩擦を生みやすくなり、削れやすくなります。
逆に、ソールがしなやかだと摩擦が減り、削れにくくなるのです。
油分補給の後、レザースティックで革を引き締めてあげれば効果倍増。
より長持ちします。
靴底修理のタイミングを遅らせれば、結果として革靴の寿命がのびることに。
一定期間内での修理回数が減りますからね。
靴底の修理を遅らせるには、レザーソールのケアをしてあげるのがポイントなのです。
レザーソールのお手入れ方法は以下の通り。
- ソールのごみやホコリを落とす
- ソールの汚れを落とす
- ソールに潤いと油分を与える
- ソールをこする
定期的に上記ケアをすると、ソールが削れにくくなります。
ということで、やり方を解説しますね。
まずは、タワシでレザーソールに食い込んだ小石やごみをかき出します。
続いて、馬毛ブラシでブラッシングしてホコリを取り除きましょう。
そして、汚れ落とし。
靴クリーナーを浸み込ませたクロスでソールを拭き、水汚れや油汚れをきっちり落とします。
汚れを落とした後は、レザーソール用のケアクリームで水分と油分を補給。
小型ブラシにクリームを取り、塗りこみます。
クリーム塗布工程に続き、表面が滑らかなレザースティックでソールを押し込み、革繊維の密度を高めます。
レザースティックはクロスで包んで傷が付かないようにしましょう。
360°あらゆる方向から力を加え、革の繊維をつぶすイメージで。
すると、こんな仕上がりに。
革が密に詰まり、表面にツヤが出ました。
お手入れしないとソールが毛羽立ち、削れやすさが加速していきます。
しかし、お手入れ後のツルッとしたソール表面なら摩擦が抑えられ、削れにくくなります。
レザーソールが削れにくくなれば、靴底修理のスパンが長くなりますよ。
革靴の寿命をのばし、お財布にも優しいです。
レザーソールは定期的にお手入れして、磨耗に強い状態をキープしましょう。
靴底のセルフ補修はお財布にも優しい
本記事では靴底のかかととつま先、さらにコバをセルフで補修する方法について紹介しました。
履いていくうちに日々傷んでくる靴底。
靴底にダメージが蓄積されると靴の美しさを大きく損なうと同時に靴自体の寿命も縮めてしまいます。
靴底の傷みを放置するのは百害あって一利なし。
補修することをおすすめします。
傷んだかかとやつま先は、簡単に自分で補修することが可能です。
何より、セルフ補修はお財布にも優しいです。
また、ソールを定期的にお手入れすれば摩耗を抑え、靴底修理のタイミングを遅らせることが可能。
靴底の修理とソールの日々のお手入れを駆使して、お気に入りの1足を長持ちさせましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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オススメの人 | 日本人の足に合う上質な国産革靴を履きたい人 |