靴底(ソール)のお手入れはしていますか?
普段、靴を履いていて、
と考えると、やっぱり靴底です。
どんなものでもダメージを受けた箇所を放っておくと、取り返しのつかない状態になってしまう…。
それは靴底も同じ。
靴底のお手入れをすれば、靴を良好な状態でより長く履けます。
本記事ではレザーソールのお手入れ方法について手順を追いながら説明していきます。
靴底の種類にはどんなものがある?
靴底と一口でいっても、様々な種類が存在します。
- 弾力性の高いスポンジソール
- 滑りにくく雨の日も安心のラバーソール
- 天然素材由来の優しいクッションが特徴のクレープソール
そして、革ならではの、
- しなやかさ
- 蒸れにくさ
- 足にピッタリと付いてくる快適さ
- 小気味良い靴音
が楽しめる、
- レザーソール
があります。
上の文面からもお分かりでしょうが、僕はレザーソールが大好きです。
レザーソールの特徴
レザーソールは何といっても履き心地が最高。
履き初めこそ硬く、足が痛くなることもありますが、なじんでからが凄いです。
返りが良くなるのにつれて、吸い付くように足裏にフィットするので非常に快適。
長時間歩いても疲れません。
不思議なことに。
それと、レザーソールって単純に見た目が格好良いです。
新品の状態の、まっさらで艶やかな表面の美しさはいわずもがな。
段々と表面が削れていく様も、エイジングとは違った味わいがあります。
ですが、デメリットもあります。
先ほど述べた通り削れやすいです。
革ですからね。
ケアしないと、すぐにダメになってしまいます。
手のかかる素材です。
今回は、そんなレザーソールのお手入れをしていきます。
手がかかるからこそ愛おしいという側面もありますけどね。
レザーソールのお手入れ方法を実践解説
ということで、レザーソールの革靴に登場してもらいます。
ロングウィングチップのソールがこちらです。
革底の靴は履いていると歩いているうちに地面に削られ、写真のように毛羽立ってきます。
それによって地面との摩擦がより発生しやすくなり、連鎖的にレザーソールが削れていく現象が発生。
また、雨で濡れた道路などを歩いた際には、革底に水が浸み込むこともありますよね。
保革という点で革の潤いを切らさないことは重要です。
しかし、水に濡れると、水が乾燥して蒸発する際に一緒に油分も連れていってしまうのです。
革がカサカサに乾燥してしまう原因に…。
しなやかさを失った革が削れ易くなってしまうのは想像に難くないでしょう。
そのため、革底の乾燥と毛羽立ちを抑えることは革底を長持ちさせるために必要なことなのです。
ということで、お手入れしていきます。
レザーソールのお手入れに必要な道具
レザーソールのお手入れ方法に移る前に、使う道具を確認しておきましょう。
今回使うのは、以下の7アイテム。
- タワシ
- 馬毛ブラシ
- 靴クリーナー
- クロス
- レザーソール用ケアクリーム
- クリーム塗布用ブラシ
- レザースティック
それぞれの用途とメリットを表にまとめます。
上の表はスクロールできます。
レザーソールの状態を清潔かつ良好に保ちつつ、お手入れを効率的にできる道具たちです。
これらのシューケアアイテムを駆使して、レザーソールのお手入れをすることに。
レザーソールのお手入れで注意すべきポイント
これからレザーソールのお手入れをしていくわけですが、作業に当たって注意すべきポイントがあります。
それが以下の点です。
- 油性クリームは使わない
- お手入れ後はソールの通気性を保つ
レザーソールに潤いと栄養を与えるために保革クリームを使うわけですが…。
油性のクリームは使わないようにしましょう。
より具体的にいうと、ロウ分を多く含むクリームやワックスの使用は避けるべき。
というのも、ロウやワックスは表面をなめらかにするため、ソールに使うと滑りやすくなるから。
歩行時にバランスを崩して転倒の危険性があります。
レザーソールにはソールケア用のクリームや乳化性のクリームを使うのをオススメします。
また、レザーソールを保革した後には靴底の通気性を保つことを意識しましょう。
レザーソールにクリームを塗った後はソールが湿っている状態です。
そのまま下駄箱にしまうと、ソールの湿気が上手く抜けずに滞留。
カビ発生の原因になります。
レザーソールをケアした後はソールに空気が流れるように空間を設けて乾燥させるとGOODです。
こんな感じで。
玄関に靴を立てかけておくのも良いでしょう。
ブラッシング
では、レザーソールのお手入れ作業開始です。
まずは、革底に埋もれた小石やゴミをブラシでかき出します。
小学生の頃、このブラシで上履きを洗ってました。
懐かしさを感じます。
と、話を戻して。
ある程度ブラシをかけたら、馬毛ブラシで再度ブラッシングします。
ホコリを落とします。
ちなみに僕の場合は、レザーソール専用の馬毛ブラシを用意しています。
専用といっても、アッパーのホコリ落とし用ブラシとは別のブラシを使っているだけですけどね。
地面に触れるソールはひと際汚れが付きやすい箇所。
アッパー用の馬毛ブラシとの共用は避けたいからです。
汚れ落とし
一連のブラッシングが終わったら、クリーナーでレザーソールの汚れを落としていきましょう。
使用するのは毎度おなじみ、M.モゥブレィのステインリムーバー。
布に浸み込ませ、ソールをふきふき。
毛羽立っているので液が浸み込みやすく、クリーナーが伸びにくいです。
アッパーを手入れするときよりも少し多めに取るようにしましょう。
こまめに手入れしているのですが、ソールは靴のあらゆる部分でダントツで汚れやすい箇所ですから、ガッツリ汚れが取れていますね。
クリーナーで汚れ落としが完了しました。
毛羽立って白くなっていた革底に水分が浸透して色が濃くなっています。
潤い補給
続いて、クリーナーと同じモゥブレィのソールモイスチャライザーでレザーソールに油分を与えます。
外から油分を与えることで乾燥から革を守ります。
同時に、ソールにしなやかさを与えて靴の返りを良くする効果も。
ラノリンオイルが含まれているため、革に柔軟性を付与できるのです。
履き心地が向上するということ。
こちらのソールモイスチャライザーを豚毛のペネトレィトブラシに適量取ります。
アッパーの手入れの際、
のがセオリー。
ただ、先ほども説明したように、削れたソールはクリームを吸収しやすくなっています。
ですので、ソールモイスチャライザーも少し多めにとりましょう。
そして、靴底全体にクリームを塗り込んでいきます。
満遍なくしっかり浸透させます。
塗布後の状態がこちら。
無事に潤いを与えられました。
この段階でも潤い補給という点では十分ではあるんですが…。
もうひと手間加えることに。
毛羽立ちを寝かす
続いて使用する道具を紹介します。
こちらはアビィ・レザースティックというケア用品。
水牛の角から作られたものです。
本来、馬革(コードバン)アビィ・レザースティックで押し込んで、
- 銀浮きを解消する
というアイテムなのですが、レザーソールの手入れにも使用することができます。
レザースティックでソールを押し込んで毛羽立ちを寝かせるわけです。
ただ、このまま使うとソールのデコボコでスティックの表面が傷付きますので、布で包んで傷が付くのを防ぎます。
クロスの中にスティックが入っています。
これで準備完了。
少し力を入れながらソールを押し込むようにこすります。
縦に、横に。
そして、円を描くようにこすっていきます。
あらゆる方向から毛羽立ちを寝かせていくイメージです。
すると…。
輝きが出ました。
寄った図がこちら。
光を反射しています。
革が詰まって、引き締まっている証拠です。
新品の美しさとは違いますが、このツヤもまた美しく、魅力を放っているように思います。
レザーソールのお手入れ前後で比較
最後に、レザーソールのお手入れ前後の比較を。
違いは一目瞭然。
ソールがきれいになると気持ちが良いです。
レザーソールに色を付けて気分転換する方法を解説した記事を読む
レザーソールケアのよくある質問
この項目では、レザーソールのお手入れに関するよくある質問をQ&A方式でまとめます。
レザーソールをお手入れする頻度は?
レザーソールのケアは甲革(アッパー)の靴磨きよりも低頻度でOKです。
アッパーのケア5回につき1回くらいの頻度でレザーソールのお手入れをすれば十分。
ただ、1つ注意点が。
レザーソールが雨に濡れた場合、たとえその前にケアしていたとしてもお手入れ必須です。
濡れた革の部分を風通しの良い場所で十分乾かした後、お手入れをしまし
詳しくは雨に濡れたレザーソールのお手入れ方法についてまとめた記事を読んでみてください。
レザーソールにカビが生えてしまった…対処できる?
レザーソールは保管時に風通しが悪くなりがち。
カビが生えやすい部分です。
カビが生えた場合はカビ除去剤で拭き取りましょう。
M.モゥブレィのモールドクリーナーを使えば、カビを除去できます。
また、カビ予防として別の手法も。
レザーソールの靴を保管するときには、木製ブロックなどの上に靴を置き、ソールの通気性を確保するのがおすすめ。
革底付近に湿気がこもらず、カビの発生を予防できます。
下駄箱に置くだけで効果を発揮するカビ防止剤と合わせて活用すると、カビ発生の可能性を下げられますよ。
レザーソールのお手入れ時におすすめの道具は?
この記事内でも使用した、M.モゥブレィのソールモイスチャライザーは伸びの良いペーストなので塗りやすく、おすすめです。
塗布用ブラシを用意するのが面倒なら、塗布用スポンジが本体にセットされているコロニルのソールトニックを推します。
また、レザースティックを活用すると革の引き締め効果が得られ、摩耗に強くなります。
レザースティックは正直高価。
ですが、代替品として安価なかっさ棒もありますので、合わせてチェ
レザーソールにミンクオイルを使っても良い?
ミンクオイル単体でのお手入れは非推奨です。
理由は革が柔らかくなりすぎるか
また、油分がリッチになり過ぎて、カビが生えやすくなるリスクも高まります。
適度なオイルとカビ予防剤といった、必要成分が最適な組成でブレンドされているからです。
レザーソールのお手入れは新品の靴を履き下ろすときにも必要?
レザーソールのプレメンテナンスは、革が柔らかくなり靴の返りが良くなるのでおすすめです。
削れにくくなる効果もありますよ。
レザーソールをお手入れすれば革靴が長持ちする
本記事ではレザーソールの汚れ落としと栄養補給の方法を解説しました。
レザーソールをお手入れすれば、革がしなやかになって返りが向上。
歩きやすくなります。
また、革の毛羽立ちが抑えられ、削れにくくなる効果も。
レザーソールが長持ちしますよ。
オールソール(靴底交換)の頻度が減るのでお財布にやさしいのも嬉しいポイント。
ソールのお手入れは先ほどまでに紹介した方法以外にも様々な手法があり、ケア用品も沢山の種類が販売されています。
サフィールノワールのソールガードのように、塗るだけ簡単のレザーソール用オイルもラインナップしていたり。
どんな道具を使うにせよ、愛情をもってレザーソールをお手入れすれば、靴は必ず期待に応えてくれます。
気になった人はレザーソール用ケア用品をチェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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