そんな人におすすめなのがコロンブスとハンズがコラボして生まれた靴クリームの、
- プレミアムクリーム
です。
プレミアムクリームは革に潤いと栄養を与えやすい、
の靴クリームでありながら、油性の靴クリームのような強いツヤを出せるのが特徴の靴磨き用クリームです。
高いツヤ出し効果の秘密はプレミアムクリームの構造にあります。
通常の乳化性クリームは油を水で覆った、
- 水巻き構造(オイルインウォーター:O/W)
なのに対して、プレミアムクリームは水を油で覆った、
- 油巻き構造(ウォーターインオイル:W/O)
です。
革への浸透性を維持しつつ革表面に油膜を張り光沢を生む優れた靴クリームがプレミアムクリーム。
乳化性クリームながら油性クリームのような性質を合わせ持ちます。
そのため、ブラッシングや磨き上げ工程でしっかりとクリームをなじませる必要があることを踏まえると、初心者には少々扱いが難しいクリーム。
ですが、逆に、
- 初心者用の靴クリームからワンランクアップさせたい
- 革靴の美しいツヤをもっと高めたい
と、靴磨き初心者から次のステップに向かおうという人にはピッタリの靴クリームに仕上がっています。
本記事では、コロンブス×ハンズの靴クリーム「プレミアムクリーム」の詳細と使用感についてレビューします。
- プレミアムクリームの詳細が知りたい
- プレミアムクリームで磨いた革靴の状態を見たい
- ツヤが出やすい靴クリームを探している
靴クリームで重要なのは保革とツヤ出し
靴磨きの必須アイテム。
それが靴クリーム。
靴クリームの大きな役目は、主に以下の2点。
- 保革
- ツヤ出し
時間とともに乾燥していく革に、靴クリームに含まれる栄養成分を与えて保革する役割と、革に光沢を与えて美しい風合いを引き立てるツヤ出しの役割です。
厳密にいえば、靴クリームには色あせた革の補色機能も期待できますが、無色の靴クリームもありますので、この項目では割愛します。
- 保革するだけなら潤い成分をたっぷり配合したデリケートクリーム
- ツヤ出しだけならワックス
上記のような専用シューケア用品もありますが、靴クリームなら保革とツヤ出しが同時に可能。
効率良く靴を磨くために必須のケアアイテムが靴クリームです。
靴クリームの種類は乳化性と油性
靴クリームには大きく2つの種類があります。
- 乳化性の靴クリーム
- 油性の靴クリーム
乳化性クリームと油性クリームの違いは水分が含まれているか否か。
水分が含まれ、油と混合されている靴クリームは乳化性。
水分が含まれず、油分のみで構成されている靴クリームが油性です。
靴クリームの種類が違えば、革靴を磨いたときの仕上がりも変わります。
乳化性クリームは水分が多いため、革なじみと浸透性が高く保革効果が高いです。
また、ツヤは控えめで革の自然な風合いが楽しめます。
一方の油性クリームは、油分が革表面に残りやすく強いツヤが出るのが特徴です。
油性クリームは乳化性に比べ革への浸透性は低いですが、それを補うために革へ浸透しやすい高級オイルを配合させているクリームもあります。
- 保革を重視するなら乳化性の靴クリーム
- 強い光沢を得たいなら油性の靴クリーム
がそれぞれおすすめです。
コロンブス×ハンズのプレミアムクリーム
ただ、
上記の通り、効率的なケアをしたい人は多いでしょう。
そこでチェックしておきたいのが、この記事の主役。
- プレミアムクリーム
です。
日本のシューケア用品メーカーのコロンブスと都市型ホームセンターのハンズがコラボして生まれた靴クリームがプレミアムクリームです。
ハンズが誇るシューケアのプロフェッショナル「シューケアマイスター」の方々がおすすめするプレミアムな靴クリーム。
- 一般社団法人日本皮革製品メンテナンス協会の研修を受講し、筆記試験と実技試験に合格したシューケアに関する知識とスキルを兼ね備えたスペシャリスト
プレミアムクリームならば、保革とツヤ出しが高い水準で両立できます。
というのも、プレミアムクリームが油巻きの乳化性クリームだから。
という人もいらっしゃるかもしれません。
プレミアムクリームは乳化性
そもそも、靴クリームの種類には乳化性と油性があります。
乳化性の靴クリームはM.モゥブレィのシュークリームジャーやブートブラックのシュークリームがメジャーどころ。
油性の靴クリームでいうと、サフィールノワールのクレム1925やブートブラックのアーティストパレットが有名です。
ところで、この「乳化」。
プレミアムクリームを語る上で、避けては通れない現象なので解説しますね。
乳化性クリームの「乳化」とは、界面活性剤を加えて水と油を混ぜた状態のこと。
通常、水と油は混ざり合わないですが、親水基(水となじむ部位)と疎水基(油となじむ部位)を持つ界面活性剤のおかげで、水と油が分離しにくい構造をとります。
乳化性クリームには界面活性剤が含まれており、水分と油分が混ざった乳化状態になっているのです。
一般的な乳化性クリームは「水巻き」と呼ばれる構造で、油の周りを水が囲んでいる状態。
オイルインウォーターとも呼びます。
しかし、プレミアムクリームは逆。
「油巻き」と呼ばれる、水の周りを油が囲んでいる状態になっています。
プレミアムクリームの乳化状態は油巻き構造
プレミアムクリームは油巻き(ウォーターインオイル)構造の乳化性靴クリームなのです。
靴クリームでよくある分類は先ほど述べた通り、
ですが、こちらのプレミアムクリーム。
乳化性は乳化性なのですが、ちょっと一味違うのです。
プレミアムクリームは乳化性の中のさらに、
の分類で、油巻きに区分されるというわけです。
油の影響が強く表れるので、油巻きの靴クリームは以下の特徴を持ちます。
- ツヤが出やすい
- 耐水性が高い
先ほど述べた「水巻き」タイプのクリームは、外側が水なので水の性質を色濃く反映し、みずみずしく滑らかな使用感。
対して「油巻き」は外側が油なので、水弾きが良く、油膜特有の光沢が出やすいというわけです。
- 光沢付与・耐水性が高い
- 革なじみ・保湿効果が高い
油巻きの乳化性クリームは製造するのが難しく、なかなか見かけません。
性質としては油性クリームに近いですが、決して油性ではない独自性を保った靴クリームです。
油巻きの乳化性クリームの特徴は、革の風合いを活かしつつツヤが出せること。
乳化性ではない油性クリームと比較して、有機的な温かみのある表情に仕上がります。
上記で分かる通り、油巻きの乳化性クリームは水分が少なく、プレミアムクリームもその例にもれず。
そのため、油巻きの靴クリームは革への保湿効果が低いという欠点があるのですが…。
プレミアムクリームはその欠点を補うためにホホバオイルを配合。
- 不毛地帯や半砂漠地帯でもよく育つ植物の「ホホバ」の種子から採れるオイル
- 革なじみが良く浸透しやすい
- 革表面に薄い膜を作り水分の蒸発を防ぐ
- なめらかで革に広がりやすく、しっとりとツヤのある仕上がりになる
ホホバオイルは革なじみの良さを確保して保革機能を確保。
おまけに、革に柔軟性を与える効果もあります。
プレミアムクリームは革にツヤと耐水性を与えつつ、保革もできる万能靴クリームということです。
プレミアムクリームの特徴
ツヤ出し効果の高い油性の靴クリームは乳化性クリームと比べて伸びが悪いですが…。
プレミアムクリームはそもそも乳化性のため、伸びが良く塗りやすいのが特徴。
ツヤが出やすいにもかかわらず、です。
つまり、プレミアムクリームは乳化性クリームと油性クリームの良いとこどりの靴クリーム。
ただ、プレミアムクリームはロウ分が多く含まれ、革への定着力の強さは油性クリームに近い性質を持ちます。
そのため、プレミアムクリームを塗った後はブラッシングやクロスでの乾拭きを十分にして、余分なクリームを落としきる必要があります。
そういった意味合いでは、靴磨き初心者向けのクリームというよりは、ある程度靴磨きに慣れた中級者以上の人がより美しい仕上がりを目指して使う靴クリームといえるでしょう。
ちなみに、僕は無色をゲット。
もちろん、他にもラインナップがあります。
カラー展開は以下の通りです。
- ニュートラル(無色)
- ブラック
- ダークブラウン
- ミディアムブラウン
- ライトブラウン
フタを開けるとこんな感じ。
ふんわりとレザーノートが香ります。
- 新品の革製品を連想させる香調を指す
- あたたかみを感じる独特の渋みのある香り
レザーノートの香りは心地良く、快適な作業をアシスト。
クリーム自体は柔らかく、なじみの良さを感じさせます。
革に浸透しやすいクリームの特性をヒシヒシと感じますよ。
瓶の背面にはさまざまな特性が記載され、成分表示もあり。
項目 | 詳細 |
カラー展開 | ニュートラル ブラック ダークブラウン ミディアムブラウン ライトブラウン |
容量 | 50g |
成分 | ロウ 油脂 有機溶剤 水 |
種類 | 乳化性 |
原産国 | 日本 |
価格 | 1,375円(税込) |
プレミアムクリームで靴磨きする方法
ではここからは、プレミアムクリームで革靴を磨いていきます。
- プレミアムクリームで磨いた靴はどんな仕上がりになるのか
をお伝えしますね。
磨くのはこちらの革靴。
磨く前には、シューキーパーを入れて形を整えておきましょう。
シューキーパーを入れると磨きやすくなりますよ。
磨き手順は以下の通り。
- ホコリを落とす
- 汚れを落とす
- プレミアムクリームを塗る
- プレミアムクリームをなじませる
- 磨く
ホコリを落とす
まずは革靴に付いたホコリや塵を落とします。
革にホコリなどが残ったままだと、プレミアムクリームを塗る際に邪魔になります。
馬毛ブラシでブラッシングして、ホコリをしっかり払い落としましょう。
きっちりホコリや塵を落とせばプレミアムクリームの浸透を大いに助けてくれますよ。
汚れを落とす
続いて、汚れ落とし。
先ほどのブラッシングでは落とせない、革靴に付いた水汚れや油汚れを取り除く工程です。
革靴を拭きます。
靴のアッパー(甲革)全体を満遍なくクリーニングしたら、ここでの作業は終了です。
プレミアムクリームを塗る
いよいよ登場。
プレミアムクリーム。
革靴に塗っていきますね。
クリームを塗るときは小型のクリームブラシを使うと、手を汚さずに作業できて便利です。
小型ブラシにプレミアムクリームを少量付けます。
量はこのくらい。
片足で米粒1~2個程度の量で十分です。
クリームの付けすぎは革靴のべたつきの原因になり、ホコリや汚れが付きやすくなります。少量でOKです。
ブラシに取り分けたプレミアムクリームを革靴に塗っていきます。
力を加える必要はありません。
革にクリームをなじませるイメージで優しく塗っていきましょう。
プレミアムクリームはとても伸びが良く、ストレスフリーな使い心地です。
また、レザーノートの香りが靴磨きの時間をより贅沢にしてくれます。
片方の靴が終わったら、あらためてクリームを付けてもう片方をブラシ掛けしましょう。
履きジワ付近は革への負荷が高い部分。
履きジワの奥までクリームを行き届かせるため、ブラシをしっかりすり込みます。
両足の靴にプレミアムクリームを塗ったら次の作業へ。
プレミアムクリームをなじませる
先ほど塗ったプレミアムクリームをさらに革へとなじませるべく、ブラッシングしていきましょう。
使うのは豚毛ブラシ。
豚毛は毛にコシがあり反発力を生みやすいため、靴クリームを隅々まで行き渡らせることができます。
軽く力を込め、プレミアムクリームを革に押し込むイメージでブラッシングしましょう。
余分なクリームを毛先に移し、革表面から取り除く効果もありますよ。
プレミアムクリームはロウ分の影響が強く定着力があるため、ブラッシングでよく革になじませるのが重要です。
プレミアムクリームが靴磨きに慣れた人におすすめという理由は上記にあります。
初心者の人だと、
- どのくらいブラッシングすれば良いのか
という感覚が分からず、プレミアムクリームの真の実力を発揮させられないかもしれませんからね。
磨く
ブラッシングの後は磨き作業。
磨きクロスで革靴を拭き上げて、余分な靴クリームを拭き取ると同時に、クリームの油分を均してツヤを出す工程です。
アッパー全体を満遍なく磨きます。
ツヤが出てくるのが分かるはず。
プレミアムクリームは通常の乳化性クリームよりも革表面に残りやすいです。いつも以上に入念に磨き上げましょう。
クロスで磨くだけでも十分にツヤが出ますが…。
さらに光沢を引き立てるため、山羊毛ブラシで仕上げます。
ハンドラップで水を軽く付けて…
ブラッシングします。
そして…。
最終的な仕上がりはこのように。
美しく磨き上がりました。
革の風合いが引き立ち、ツヤが出ているのが分かりますね。
乳化性ながらツヤの出やすい、プレミアムクリームならではの仕上がりです。
プレミアムクリームで磨く前と磨いた後の革靴の状態を比較
では、プレミアムクリームで磨いた効果を見てみましょう。
お手入れ前後で革靴の状態を比較してみます。
こちらです。
プレミアムクリームでお手入れした靴はツヤが出て美しい印象に。
ただ、プレミアムクリームのツヤはワックスや油性クリームとは違い、温かみを感じる有機的なツヤ。
人工感が少ない、そんな印象です。
「明らかな光沢」というよりも「自然な強めのツヤ」という表現がしっくりきます。
プレミアムクリームは、
そんな人にピッタリの靴クリーム。
ただ、油性クリームのように革表面に残りやすい性質もあるため、しっかり拭き取ることが大事。
一通り靴磨きに慣れた脱・初心者の人や中級者の人がより美しい仕上がりを求めて使うのに向いています。
プレミアムクリームは、靴クリーム選びに嬉しい選択肢を与えてくれます。
コロンブス×ハンズのプレミアムクリームは保革と同時に強い光沢を与えたいときにおすすめ
本記事では、コロンブス×ハンズのプレミアムクリームの詳細と使用感をレビューしました。
プレミアムクリームの特徴は、なんといっても油巻きの乳化性クリームであること。
乳化性クリームの滑らかな使い心地をキープしつつ強いツヤを与えられます。
通常の乳化性クリームは水巻き型が多く、保湿機能や滑らかな使用感に秀でています。
一方、油巻き型のプレミアムクリームは、乳化性ながら油性クリームのようなツヤ出し効果や高い撥水性が得られます。
乳化性クリームと油性クリームの良いとこどりをした靴クリームです。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。