と、ちょっと待ってください。
履くのはまだ早いです。
というのも、その靴はレザースニーカー。
革を使っていますよね?
革は時間とともに乾燥していきます。
革内部に含まれる水分や油分がだんだん抜けていくからです。
乾燥した革は硬くなり、
- 深いシワが入る
- ひび割れを起こす
なんて悲劇が起こりやすくなります。
いざ履き下ろした後に変な履きジワが入ってしまったら悲しいです
だからこそ、
お手入れすれば革がモチモチとして柔らかに。
履いたときのテンションを分散して履きジワを最小限に抑えます。
アッパー全体が柔らかくなって履き心地が向上するのもお手入れの
本記事では購入したばかりのレザースニーカーを履き下ろす前のお
- レザースニーカーを大事に履きたい
- 買ったばかりのレザースニーカーをお手入れしたい
- レザースニーカーのお手入れ方法は?
お気に入りのスニーカーをゲットしたときに確認すべきこと
お店で気に入ったスニーカーを見つけて、サイズもピッタリ。
購入後、意気揚々と履き下ろし…。
と、ちょっと待ってください。
履き下ろす前に確認したいことがあります。
それは素材。
革製ではないですか?
革製のスニーカーの場合、そのまま履き下ろすのは良くないです。
革製スニーカーは乾燥している
革製のスニーカー、いわゆる、
- レザースニーカー
は、革が乾燥しているかもしれません。
というのも、
革は適度な水分や油分を含んでいるため、
裏を返せば、革中の水分や油分が失われると革が硬くなってしまうということ。
革に含まれる水分や油分は時間とともに飛んで行ってしまいます。
だからこそ、革は定期的にお手入れして水分や油分を補給してあげなければなりません。
ここで、売り場に並んでいるレザースニーカーについて考えてみましょう。
自分が購入する前のレザースニーカーはどれだけの時間、お店に保管されていたのか知る由もありません。
売り場で長時間置いておいても、革の手入れをすることもなく。
つまり、レザースニーカーは購入時点で革が乾燥している可能性が高いということ。
もちろん、皮が革へとなめされてからすぐにレザースニーカーとして作られ、革の乾燥が進んでいないパターンもありますが、それは稀なケースです。
基本的にお店で売っているレザースニーカーの革は、ある程度乾燥が進んでいると認識すべきです。
乾燥したレザースニーカーで起こる悲劇
乾燥したレザースニーカーをそのまま履き下ろすと問題が起きます。
それは履きジワが深く入ってしまうこと。
乾燥した革はしなやかさが失われるため、硬くなります。
硬くなった革は弾力がなくなるため、履いたときの屈曲のストレスに革が負け、深いシワが刻まれるのです。
靴を履けば履きジワは避けられない現象。
しかし、乾燥した革はそうでない革に比べより深く大きなシワが入ります。
レザースニーカーは履き下ろす前にお手入れが必要
レザースニーカーの見た目のクリーンさと美しさをキープしたいなら、購入直後に革に水分や油分を補給し、店頭に並んでいる間に乾燥した革に栄養補給をするべきです。
革に潤いと栄養を与えてあげれば、革のしなやかさが復活。
レザースニーカーを履いた際の屈曲ストレスを柔らかな革が受け流し、履きジワを最小限に抑えられます。
そして、革に水分と油分を与えるために必要なのが保革クリームでのお手入れ。
革に必要な栄養を配合した保革クリームでお手入れすれば、革のコンディションを良好に保てます。
レザースニーカーのプレケア方法
この記事でお手入れするのはこちらのレザースニーカー。
リーガルのモデル名「AL52」です。
買ったばかりでとてもきれい。
ですが、先ほど述べたように革が乾燥している可能性があります。
このまま履き下ろすのは危険です。
ということで、お手入れして万全の状態で気分良く履き下ろすことに。
ここで1つ留意点が。
こちらのレザースニーカーはシボ革にスエードを組み合わせたコンビシューズです。
スエードは革の床面を起毛させた革種のこと。
いわゆる、起毛革の1種。
スムースレザーのお手入れと起毛革のお手入れをそれぞれの部位にしていきます。
使うのは以下の道具。
使用道具 | 用途 |
①馬毛ブラシ |
ホコリを落とす |
②靴クリーナー |
汚れを落とす |
③汚れ落とし用クロス |
汚れを落とす |
④クリーム塗布用ブラシ |
靴クリームを塗る |
⑤靴クリーム |
革に栄養を与える |
⑥豚毛ブラシ |
靴クリームをなじませる |
⑦磨きクロス |
革を拭き上げる |
使用道具 | 用途 |
①’起毛革用栄養スプレー |
スエードに栄養を与える |
②’スエードブラシ |
毛を起こす・毛並みを整える |
③’防水スプレー |
革を水に強くする |
起毛革は一般的なスムースレザーとは違って表面が毛羽立っており、クリームを塗ったりクロスで拭いたりできません。
そのため、スプレータイプのケア用品でお手入れします。
起毛革を使っていないレザースニーカーの場合は、スムースレザー用の道具さえあればOKです。
これらの道具を使った作業手順は以下の通り。
- ブラシでホコリを落とす
- 靴クリーナーで汚れを落とす
- 靴クリームを塗る
- ブラシでクリームをなじませる
- クロスで磨く
- スエードブラシでホコリをかき出す
- 保革スプレーを噴きつけた後に毛並みを整える
- 防水スプレーを噴きつけてから拭き上げる
- スエードブラシで毛並みを整える
では、実際にお手入れしていきます。
お手入れする前にシューキーパーを入れておくのをオススメします。
内側からアッパーが支えられて快適に作業できます。
スムースレザーのお手入れ方法
まずはスムースレザー部分のお手入れから。
ブラシでホコリを落とす
はじめに馬毛ブラシでブラッシング。
ホコリを払い落とします。
毛先の細い馬毛ブラシは隙間までしっかり入り込み、ホコリをかき出せます。
ディティールの細かいレザースニーカーでも払い残しなく、きっちりホコリを除去。
デコボコしているシボ革のシワの中に入り込んだホコリも取り除きやすいですよ。
靴クリーナーで汚れを落とす
次に、靴クリーナーで汚れを落とします。
新しい靴とはいえ、箱詰めするまでに油汚れが付いているかもしれません。
古い靴クリームが酸化して革の上に残っている可能性も…。
汚れを落としてサッパリさせましょう。
靴クリーナーをクロスに含ませて…
レザースニーカーを拭きます。
スムースレザー部分をまんべんなく拭き上げてクリーニングしていきますよ。
靴クリームを塗る
クリーナーできれいにした後は靴クリームで革に潤いと栄養を与えます。
この記事で使う靴クリームはブリフトアッシュのザ・クリーム。
優れた保革効果を持つ靴クリームです。
ブラックのレザースニーカーなので黒の靴クリームを使います。
靴の色と靴クリームの色は揃えましょう。ただし、無色のクリームならどんな色のレザースニーカーにも使えます。
クリーム塗布用ブラシにクリームを少量付けまして…
スムースレザー部分に塗っていきます。
両足とも靴クリームを塗れたら、次の工程に移ります。
ブラシでクリームをなじませる
靴クリームを塗り終えたら豚毛ブラシで靴クリームをさらになじませます。
革に擦り込むイメージでブラッシングしましょう。
豚毛はクリームを運ぶ力が強く、均一に成分をいきわたらせると同時に、余分なクリームを毛先に移して取り除く意味もあります。
クロスで磨く
最後に、クロスで磨いてツヤを出す作業をします。
余分な靴クリームを拭き上げてべたつきを解消。
かつ、クリームの成分を均してツヤを出すのです。
磨いたときにクロスが引っかかる感覚がある場合、靴クリームの塗りすぎです。クロスでしっかり拭き取って余計な靴クリームを革に残さないようにしましょう。
革に必要な成分はブラッシングまでの工程ですでに革に浸透しています。遠慮なく拭き取りましょう。
スムースレザー部分全体を磨き上げたら作業終了。
スムースレザー部分に潤いと栄養が補給されました。
スエードレザーのお手入れ方法
今回お手入れしているのはスムースレザーとスエードレザーのコンビ革のスニーカーです。
スムースレザー部分のケアが終わったら、スエード部分のお手入れに移ります。
スエードブラシでホコリをかき出す
まずは起毛革用ブラシでスエード部分のホコリを落とします。
スエードは起毛しているため、ホコリや汚れが毛の間に絡まりやすいです。
スエード用の硬いワイヤーブラシでスエードの毛をほぐしつつ、スエードのケアを立たせながらホコリをかき出しましょう。
これから塗る保革スプレーの成分を革内部まで浸み込ませやすくする効果もあります。
保革スプレーを噴きつけた後に毛並みを整える
ブラシでスエードの毛を立たせた後は起毛革用保革スプレーで革に栄養を与えていきます。
スエードは表面が毛羽立っているため、スムースレザー用のクリームは使えません。
塗り広げられないですからね。
ゆえに、スプレーで保革成分をミスト状にして革へ与えます。
起毛革用保革スプレーをスエード部分に噴きつけましょう。
20cmくらいの距離から起毛革部分が軽く湿る程度にスプレーします。
スプレータイプなら起毛したスエードであっても、まんべんなく栄養成分が行き届きます。
スプレー後はスエードの湿り気がなくなるまで待ち、栄養成分をきっちり浸み込むのを見届けましょう。
スプレーした液が乾いたら、スエードブラシでブラッシング。
毛並みを整えながら保湿成分をよくなじませていきます。
防水スプレーを噴きつけてから拭き上げる
スエードはもともと雨に強く、水汚れが付きにくい特徴の革です。
そんなスエードに防水スプレーを使えば、さらに水への耐性を高まり水汚れが付きにくくなります。
ということで、防水スプレーをシューッと。
防水スプレーはスエード部分だけを狙って噴きつけるのは不可能ですから全体へ。
スプレーした後は乾くまで待ちます。
手軽に水汚れを予防できますよ。
防水スプレーは使っておいて損はありません。
防水スプレーを乾かした後はクロスで拭き上げます。
スエード部分は拭かず、あくまでもスムースレザー部分のみを拭き上げます。
スエード部分をクロスで拭くと引っかかってしまいますから、避けて作業しましょう。
スエードブラシで毛並みを整える
最後に、スエードブラシで起毛革全体の毛並みを整えます。
スエードの毛の流れを一定の方向に流し、美しく仕上げるためです。
これにて履き下ろし前のお手入れ作業すべてが完了。
仕上がりを見てみましょう。
革にしっとり感が加わり、表情に奥行きが生まれました。
いざ履き下ろしたときにも、高い満足感が得られます。
履きジワが深く大きくなりすぎず、良い感じです。
革がしなやかになると、靴の返りが良くなって履き心地が改善するのも見逃せないポイントです。
革の自然な風合いを存分に楽しんでいきたいですね。
買ったばかりのレザースニーカーはすぐにケアして万全の状態で履き下ろそう
本記事ではレザースニーカーを買った直後にお手入れすべき理由と方法を解説しました。
…ではありません。
お店で保管されている間に革の乾燥が進んでいます。
乾燥した状態のレザースニーカーをそのまま履き下ろすと深い履きジワが入り、美しさが損なわれます。
レザースニーカーを履き下ろす前には、革のお手入れをしてコンディションを整えてあげましょう。
革に水分や油分を与えれば革にしなやかさが戻り、深いシワが入りにくくなります。
革が柔らかくなると履いたときに靴の返りが良くなるのを実感。
快適な履き心地になります。
新しくレザースニーカーを買ったら、革のお手入れをして履き下ろせば末永く愛用できますよ。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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